凡人PhD留学記

特筆すべき功績のない、平凡ちょい上ぐらいの大学院生が、アメリカPhD留学出来た軌跡を記録します。

どのくらいの戦闘力でアメリカPhD留学する?〜CV〜

皆様こんにちは、Lonです。ただ今アメリカPhD留学中の学生です。アメリカPhD留学にはどのような必要書類があるのか、それらをより良いものにするにはどうしたら良いのかなどを自らの経験を交えながら綴っています。アメリカPhD留学に必要な書類は主に以下の通りです。

 

1. Transcripts (成績表)
2. GRE scores (アメリカ大学院の共通試験みたいなやつ)
3. Letters of recommendation (推薦状)
4. CV (学歴や経歴などを記した一覧)
5. English language proficiency exam scores (英語の能力が標準以上であることを示す試験のスコア)

6. Essay (志願理由やアピールポイントなどを簡潔に文章にまとめたもの)

 

今回は4番目、CVについてです。

 

4. CV (学歴や経歴などを記した一覧)

CVは日本で言う履歴書で、curriculum vitaeの略です。簡単に言うと、自分のこれまでの経歴を一覧にすることで、自分が何者であるかを端的に伝える書類です。アメリカのPhD課程への入学は非常にcompetitive(競争が激しい)であるため、何かしらのアピールをする必要があります。もしその経歴の一覧の中に、キラリと光る何かがあった場合、大学院側の目に留まり合格を勝ち取れる確率が上がります。CVの形式については、他の海外PhD留学をされている方のブログなどを参照してみてください。形式そのものは恐らくそこまで重要ではないので、沢山あるテンプレートのうちどれかを採用しましょう。このブログでは、僕の経験をもとに、

- どのような要件を書くべきなのか

- CVを少しでも良く見せるにはどういったことを学部、修士でやり遂げるべきなのか

について書いていこうと思います。アピールになりそうな要件をリストにし、それぞれ深堀りしていこうと思います。

 

1. 論文(Publication)

これはPhDを志す者としては最も目指すべきものですし、誰もが渇望するものです笑。論文を1つ出すのには、とてつもなく労力を使います。プロジェクトの発案、実験などによるデータ収集、データ解析、解析に基づいたより良いデータを出すための改善、論文の執筆、査読、、、とキリがありません。このサイクルに慣れているスタッフの先生方ならまだしも、実験を始めたばかりの学生がこれらをこなすのは至難の業です。

何らかの形で論文に携わった人は皆著者となるのですが、プロジェクトのデータ収集や論文執筆をメインで行った人は第一著者(first author)になり、これが最も評価されます。これ(筆頭論文と呼ぶこととします)を学部や修士の海外PhD受験の時期までに持っている人は、相当優秀、もしくはいい感じの進歩のプロジェクトを引き継いだなど、何らかの理由があるはずです。筆頭論文があることをアピール出来れば、物凄く高い評価を得られるのですが、残念ながらそれを達成できるのは選ばれし者のみです。僕も当然のように筆頭論文はありませんでした。

しかし、忘れてはならないのは、筆頭論文が最も評価されるだけであって、論文の筆者でさえあれば何らかの評価をされます。ここで僕が推すのは、教授やスタッフの先生方に海外大学院留学したい旨を伝え、何らかの形であるプロジェクトに関わることで筆者として論文に名前を載せてもらうことです。そのためには、安定した実験結果を出せるようになって信頼を得ることが大事かもしれません。とにかく、海外PhD留学をしたいと思ったその瞬間にスタッフの先生方に話してみましょう(大事だと思ったので2回太字で言いました)。

実際、僕は修士1年あたりから軽い感じで周りに海外PhD留学しようかな〜と話し始め、スタッフの先生方にも伝えました。ちょうどその頃、卒業した先輩のプロジェクトがほぼ終わりかけにも関わらず論文化されていなかったため、その手伝いをする機会をいただくことができ、その論文の著者にさせていただけました。全然そのプロジェクトにメインで関わってはいないのですが、CVに書ける立派な経歴をいただけたのはありがたかったし、多かれ少なかれ合格に寄与したのは間違いありません。第一著者になるのはハードルが高くても、あるプロジェクトに何らかの形で貢献して著者になるのは、不可能ではないし、自分で掴もうとすれば周りがきっと手を差し伸べてくれます

 

2. 学会発表 (Presentation)

これは論文を書くよりはハードルが低いので、是非狙ってみて下さい。学会発表は、研究室によって方針が違うことがあります。例えば、僕が日本で所属していた研究室では、ある程度まとまった結果が出れば、論文化出来るほどの進歩でなくても発表させてもらえましたが、他の研究室には論文化が近くなってからでないと発表出来ないところもあると思いますので、研究室の方針をまず知りましょう。僕の場合は、ある程度研究が進んだ時点でポスター発表することを承諾していただき、2回発表しました。論文と比べればそこまで評価されないかもしれませんが、間違いなくプラスになると思います。

 

3. 奨学金 (scholarship, fellowship)

これはもし取れるとかなりプラスになりますが、めちゃめちゃ狭き門なので貰えないものと思って良いと思います(貰えたらめちゃラッキーくらいの気持ちで)。日本の博士課程の多くは、日本学術振興会の奨学金に応募すると思いますが、採用率は20%ほどで、なかなか狭き門ですよね。海外PhD留学のための奨学金は、それよりも狭いです、、、例として、僕が応募した財団の一つである、本庄国際奨学財団(https://www.hisf.or.jp)のウェブサイトによると、海外大学院向けの奨学金の倍率は、ここ5年では5%以下です。本当に選ばれし者のみが授かるものです。僕は確か4つくらい応募しましたが、あっさり全滅しました。もっと応募することもできたのですが、TOEFLの点数が足切り以下であるものが多かったこともあり(100点以上必要なものもザラにあり、まして90点にも届いていない僕には受ける権利なし)、絞らざるを得ませんでした。ですので、応募した方!落ちてもそれが普通なので決して落ち込まないで下さい!

 

長々と書いてきましたが、結論を言うと、とにかく教授やスタッフの先生方に早めに海外大学院留学したい旨を伝えることです!そうすることで、学会発表を薦めてもらえたり、論文化出来そうなプロジェクトの手伝いをさせてくれたりすることがあります!凡人なりの戦い方は必ずあります!