凡人PhD留学記

特筆すべき功績のない、平凡ちょい上ぐらいの大学院生が、アメリカPhD留学出来た軌跡を記録します。

どのくらいの戦闘力でアメリカPhD留学する?〜TOEFL〜

皆様こんにちは、Lonです。アメリカのニューヨーク州にて、PhD課程の学生として生活を始めてもうすぐ4年になります。僕がPhD課程の受験に臨んだ際の経験などをブログに綴っており、アメリカPhD受験に何が必要かについてまとめています。以下に必要な書類をまとめています。

 

 

1. Transcripts (成績表)
2. GRE scores (アメリカ大学院の共通試験みたいなやつ)
3. Letters of recommendation (推薦状)
4. CV (学歴や経歴などを記した一覧)
5. English language proficiency exam scores (英語の能力が標準以上であることを示す試験のスコア)

6. Essay (志願理由やアピールポイントなどを簡潔に文章にまとめたもの)

 

今回は5番目、英語の試験(TOEFL iBT)についてです。

 

5. English language proficiency exam scores (英語の能力が標準以上であることを示す試験のスコア)

英語が公用語でない日本で生まれた日本人であれば、アメリカに留学する際に英語の扱いに問題がないことを証明する必要があります。英語試験のスコアと一般的な感じで書いていますが、基本的にアメリカ留学はTOEFL iBTのスコアを要求する場合が多いかもしれません。IELTSという試験も割と一般的ではありますが、志願する複数の大学院の中で、TOEFLしか受け付けないという大学院が一つでもあった場合、TOEFLを受けなくてはいけませんので、必ず確認しましょう。ここでは、僕が受けたTOEFLについて解説します。

TOEFLは、Reading, Listening, Speaking, Writingの4つのセクションに分かれており、それぞれのスコアが30点満点で算出されます。合計120点満点となり、理系の大学院を目指す場合は90点を目指すこととなるのではないかと思います。僕の印象では、90点以上を要求する大学院や奨学金を提供している財団が多い印象です。大学院によっては、100点以上のスコアの提出を要求してきたり、足切りスコアがそもそもない場合もあります。また、日本の奨学金に応募する際にもほとんどの機関がTOEFLのスコアを要求してきます。例えば、吉田育英会(公益財団法人吉田育英会)は理系の場合TOEFL iBTが88点以上であることを募集要項に明記しています。

TOEFLの攻略法とか以前に僕が大事だと思うことは、目標とする大学院が何点を要求しているかを知り、そのスコアを達成したらTOEFL対策から足を洗うことです。というのも、僕が考えるに、TOEFLのスコアがめちゃくちゃ高くても、それ相応の評価をされることはなく、あくまで足切り程度にしか使われないのではないかと思うからです。TOEFLのスコアはあくまで留学先で英語を使った学習に問題がないということを示すだけのものです。日本で受験を幾度となく受けている皆さんは何となく察するかもしれませんが、テスト対策のための英語は、実際に使う英語とかなり重なる部分はありますが少し違います。例えば理系の方は、自分の専門の英語論文が読める方がよっぽど重要です。なので、足切りの点数が取れた場合はきっぱり対策をやめて自分の専門の論文を読んでいた方がいいです。僕の場合は、目標の90点が取れずに割と出願直前までTOEFL対策に時間を費やしてしまいました。目標点が取れないのは心理的に結構苦しいですが、その場合は取れた最高点で挑戦出来そうな大学院で勝負することも考えましょう(僕は実際多くを諦めましたが何とかなりました)。

 

実際の対策ですが、何よりまず単語帳を一冊マスターし、試験を受けてみることです。もちろん、昨今の円安などの影響もあり、本番の試験を受けるのには多額のお金が必要なので、満を辞して受けたいと言う人はオフィシャルガイドブックを使って本番さながらの通しをしてみても良いと思います。単語帳の単語を見たら0.1秒で意味が出てくる状態になったら、そこがスタートラインです。オフィシャルガイドブックはもちろん、ほとんどの単語帳にもCDがついているので、単純に覚えるだけではなくCDも少し時間を作って聞いてみましょう。1日20分毎日聞くだけでもきっと大きな差を生みます。

90点取れていない僕が言える対策など本来ないに等しいかもしれませんが、強いて言うならば、本番はとにかく時間がないので、定型文でいける部分を増やすことが大事ではないかと思います。これはSpeakingとWritingで特に言えることですが、SpeakingとWritingは解答の内容が高尚である必要は全くありません。むしろ、幼稚であっても何かしら喋った、書いた人が点を取れます。GREについて書いた記事(どのくらいの戦闘力でアメリカPhD留学する?〜GRE〜 - 凡人PhD留学記)でも同じことを書きました。例えば、僕は、'視野を広げる'という意味のイディオムである expand one's horizons や、'様々なバックグラウンドを持つ人と交流する'という意味の interact with people in a wide variety of backgrounds のような、汎用性の高そうな定型文のリストを自分で作って覚えてました。定型文を使えるように無理やり理屈をこじつけたりしても大幅減点とかはありませんので、とにかく喋る、書くことを意識しましょう。この手法はWritingでも力を発揮します。

実際の試験では、リスニングした内容を使って意見を述べるような問題などもあり、そのような問題ではこの手法は使えない可能性が高いですが、とにかく完璧を目指さず、要求されていることを1つでも満たせるよう喋りましょう。英会話での片方の人の意見の内容とその理由を述べる問題なら、意見だけしっかり述べても半分くらいは点が取れますし、ペラペラの1文ずつでも意見の内容と理由の両方を何かしら述べることができたら半分以上の点がもらえるかもしれません。

 

最後に、偉そうにつらつらと述べた僕の最高スコアは、

Reading: 24

Listening: 24

Speaking: 20

Writing: 20

Total: 88

でした。目標の90点に届かずでした。僕はTOEFLを合計で5回くらい受けたのですが、最高点が出たのは2回目で、あとはそれ以下しか取れませんでした。僕の場合、Listeningがかなり苦手で毎回足を引きずり、SpeakingとWritingは回を追うごとに点が上がりました。Listeningはこの回だけ高得点が取れた(この回以外は15点くらいしか取れませんでした)のですが、SpeakingとWritingがまだ2回目の受験であまり慣れていなかったため88点にとどまりました。ある時点から88点以上取るのは僕にはきついかもなと思い始め、いくつかの志望校は早々に諦めましたが、あくまでTOEFLは足切りでしかないので、自分が受けられる志望校に全力で挑みましょう

 

ちなみに、僕は恩恵を受けられなかったのですが、My best scoreという仕組みがあり、直近で複数回受けた試験の各セクションの最高点を足したスコアを採用している大学院もあるかもしれません。ちなみにこれなら僕は90点を超えていましたが、My best scoreを採用している大学院や奨学金はありませんでした(悔しいです)。最後に僕が使用していた単語帳とオフィシャルガイドブックを載せておきます。